住宅インテリアの多様性がめざましい現在においても、カウンターキッチンは根強い人気を獲得しています。
最近では生活感を排除し、美しさを追求したアイランドキッチンがインテリアのメインのような存在になっているようですが、スタイリッシュな見た目を実現するためにはそれなりのデメリットも存在します。
アイランドキッチンはその名の通り、室内に島のように配置するキッチンのスタイルです。
壁面に接着せず、前後左右どの方向からもキッチンに向かって作業が可能になるため、家族で料理を楽しむ方やホームパーティの頻度が高い方にぴったりのキッチンだといえるでしょう。
またなによりもおしゃれなデザインが豊富なのは断然アイランドキッチンです。
内装において最もインテリアに注力するリビングダイニングの花形になるようなアイランドキッチンはそれだけで絵になるため、新築住宅を建築する際の最低条件にされるかたも少なくありません。
しかしアイランドキッチンでは料理中のにおいや油の飛び跳ねなどが部屋全体にいきわたってしまうことで、家具やファブリックについてはこまめなお手入れが必要となってしまいます。
小さな子どもがいる家庭では仕切りがないことからさまざまな危険が生じる可能性もあります。
来客時にシンクや作業台が丸見えになってしまうことが気になる方もいるようです。
そのようなデメリットが生活においてストレスになると感じる方に選ばれているのがカウンターキッチンです。
カウンターキッチンはキッチンとダイニングを挟んだ壁面に配置したキッチンのことをいいます。
直線のI型だけでなく、コーナーのあるL字型も含まれますが、カウンターキッチンはアイランドキッチンのようにダイニングやリビングに向かって調理や後片付けの作業が可能になるため、家族と会話がしやすいことやテレビを見ながら作業ができるという利点が一番の人気理由です。
作業台やシンクの部分から直接料理を運ぶことができるので、後片付けが楽になります。
カウンターの広さはさまざまですが、カウンターで食事ができるくらい広くすることも可能です。
また、カウンターの下部には収納棚を設けることもできたり、カウンター上は小物や飾り物の置き場に利用することもできます。
アイランドキッチンのように開放感がほしいときは、コンロと換気扇部分をのぞく部分の壁を取っ払い、キッチン上の収納をつけずに天井まで解放するという方法もあります。
建築コラム