建築コラム

工務店が解説、住宅の耐震性を高めるためにできる工夫って?

毎日のようにTV画面の片隅にテロップが現われ、地震発生の速報が流れます。多くが震度3以上のもので、発生のたびに、いつ自分が住んでいるところに大きな地震が発生するのか毎回ひやりとさせられます。ところでお住まいの住宅の耐震性はどれくらいでしょう。震度7クラスに耐えられる強度が十分にありますでしょうか。

 

日本では被害が大きかった地震が発生するたび建築基準法が厳しくなった経緯があり、今では震度7級の地震にも耐えられる基準が設定されています。しかしそれは新築時のことであり、ある程度年数が経ったものについては耐震性がどれほどあるのか確認できません。これまで何度か軽微な地震に遭い、ダメージを蓄積していると考えられるからです。

 

住宅の耐震性を高めるには住宅の部位ごとに手法があり、まず考えるべき部分は基礎部分の補強です。現行の基準は鉄筋が入ったコンクリート基礎が使われていますが、1981年以前の旧基準では鉄筋なしの無筋コンクリートが多く使われました。もちろん旧基準で建てられていても、良心的な工務店が対応した場合、鉄筋入りを使用している可能性があります。新基準で建てられていても、基礎にクラックなどが発生していたら強度が不足していることが推測されますので補修が必要です。

 

地震が発生すると、基礎土台から住宅の柱が引き抜かれる力が加わります。そのため耐震性を高めるには、基礎土台と柱を固定する足下補強も、施工されていない場合は行っておきたい工事です。耐震性、即ち倒壊を防ぐ観点からもっとも重要なものは壁の補強です。地震の揺れによる変形で損壊しないバランスのいい設計は基本です。耐力壁は新設する場合と、既存の柱や梁を補強して耐力壁にする方法などがあります。

 

屋根材も注目するべき部分で、古い木造家屋では重量のある粘度瓦が用いられていることが多いです。これは重心が上部に来る作りで、地震のとき揺れに対して負荷がかかりやすい構造です。可能なら軽量で丈夫なスレートなどに交換した方が安全であると言えます。

 

他にはシロアリなど害虫によって住宅部材が痛んでいる場合も強度に不安があります。傷んだ部分は軽度なら補修し、重度なら部材交換などの施工を行ってから強度アップを図ることになります。現在はシロアリ被害を食い止める防蟻処理をした木材の使用が可能です。これらの他に、住宅の木材の繋ぎ目が補強されていないものがあり、その場合は接合部を金具等で補強する必要があります。地震のときはねじれなどの力がかかりやすく、家屋倒壊の原因になりますので、適切な補強が必要です。

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