皆さんは、仕事を引退した後の人生について考えていますか?
これから先の時代では、人は100年生きるのが普通になってくるとも言われています。
そんな中で、今もこの先もずっと「家」というものと共に暮らしていくわけですが、歳を取ると身体的に不自由な部分が多くなります。
ましてや長生きするということはそれだけ不自由な状態で生活する期間が長くなるとも考えられます。
そこで考えていただきたいのが、「バリアフリー住宅へのリフォーム」です。
皆さんご自身だけの問題ではなく、ご両親との同居を考えた住宅設計としてもお勧めのバリアフリー。
生涯を快適に暮らすためのリフォームにおいて注意するべき3つのポイントを御紹介します。
□ 玄関ポーチの広さは十分に確保
バリアフリーの代表的な例として挙げられる玄関スロープは、加齢によって足腰が弱くなった時や、車椅子での生活が必要になったときに非常に便利です。しかし、この玄関スロープ、ただ既存の玄関ポーチに設置するだけでは後になって困ってしまうことがあります。
玄関ポーチに十分な広さが確保できていない状態でスロープを設置した場合、車椅子でスロープを上がったのは良いものの、扉を開ける際に車椅子で一時停止する場所が無いということがあります。
設計前の段階では予測しておらず、設置後に使用して初めてこの問題点に気が付いたために、結局「障壁を取り除く」というバリアフリーの役目が果たされず、スロープを付けた意味があまりなかったという例もあります。
□ ヒートショック現象への対策を
バリアフリーのリフォームで玄関同様多くの方が検討するのが浴室のリフォームです。
浴槽の高さをまたぎやすく変更したり、床を滑りにくい材質にしたりといったものが代表例です。
しかし、浴室のリフォームではそれらだけではなく、「ヒートショック現象への対策」も忘れずに行いましょう。
そもそもヒートショック現象とは、室内の温度差によって血圧や脈拍に異常が引き起こされることを指します。
冬場、寒い脱衣所からお湯で温まっている浴室に移動すると、この現象が起こることがあります。
お年寄りはこの現象に影響されやすいため、リフォーム時には「浴室暖房乾燥機」などを利用して脱衣所と浴室が同じ温度になるように工夫しましょう。
□ 「立ち上がる」時のための手すりを
3つ目のポイントとして、こちらもバリアフリーの代表例である「手すり」ですが、注意していただきたいのは手すりの用途です。
手すりのイメージというと、階段などを歩くときに体を支えるためというものが一般的ですが、実際に生活する際にはもう一つ大事な役目があります。
それは、「立ち上がる時に体重を支えること」です。
このため、階段だけでは無く、生活していて立ち座りを頻繁に行う場所にも手すりを設置することを忘れないようにしましょう。
□ おわりに
いかがでしたか?
先の長い人生を生涯快適に暮らしていくためにも、バリアフリー住宅にリフォームする際は是非、上記3つのポイントに注意して設計しましょう。