ビルトインガレージとは戸建住宅などで建物の内部に駐車スペースを確保した住宅の総称です。
一般的なタイプとしては住宅の1階部分に設置される場合が多く、1階部分のほぼ全ての空間あるいは一部の空間に設置するケースがほとんどです。
このタイプのガレージには様々な魅力やメリットが挙げられます。
まず、住宅地が狭くても、空間を効率よく使えるという点です。
家を建てる場合にビルトインガレージにすれば、その床面積の1/5までは容積率から引いてよいというルールがあります。
よってガレージを確保しながら、宅地を有効に活用できるというメリットがあり、特に都心の地価の高いエリアにある狭小地などでは重宝します。
当然ながら他所に駐車場を借りる必要がありませんので、駐車場代が浮きます。
ですから都心の月極駐車場の賃料が高いようなエリアで家を建てる場合にはこのタイプのガレージが人気です。
また、ビルトインガレージは建物内に設置できるので大切な愛車を盗難やいたずらを未然に防ぐことができ、安全です。
もちろん建物内ですので風雨から愛車を守ってくれ、愛車にやさしい環境を作ってくれます。
しかも車だけではなく、オートバイや大切な工具、趣味のサーフボードや釣り道具といったものまで直接人目にさらすことなく、安心して入れておけるスペース確保に打ってつけです。
このガレージにドアをつけて玄関や廊下、部屋などの居住空間とつなげることで、雨の日に買い物にいっても雨に濡れずに車の中の物を家の中に運ぶこともできます。
重い荷物がたくさんあるとガレージが家から離れていると持ち運びが大変ですが、ビルトインガレージにすれば移動距離が最短で済むのでとても楽です。
ガレージは上記のような実用面だけでなく、趣味のフロアとしても車を鑑賞できる空間として魅力があります。
リフトなどを設置してガレージ内で愛車のメンテナンスや本格的なレストアなども可能になります。
さらに少し大きめにガレージを作ったり、土間風の空間を併設して椅子やテーブルをおけば友人との車談義も楽しめる空間になります。
部屋の中から愛車が眺められるように大きなガラスをガレージとの仕切りとして設置すれば、愛車がちょっとしたオブジェのようになり、いつも愛車といっしょにいられるような感覚がするでしょう。
ビルトインガレージは人気のオーバースライドシャッターを使用できるので、家の外観をとてもシンプルでスッキリとさせることができます。
また、このタイプのシャッターは一般的な巻き上げ式シャッターに比べると作動音がとても静かですので、住宅密集地でも近所に気兼ねなく早朝のシャッター開閉を行うことができます。
建築コラム