住宅を建てる際には断熱材は欠かせません。
断熱には、冬場の冷たい空気の侵入を防ぐだけでなく、夏場の暑い空気の侵入を防ぐ重要な役割もあります。
断熱材は、簡単にいうと、熱が伝わりにくい空気を閉じ込めることで断熱効果を持たせたもので、「繊維系」と「発泡プラスチック系」のふたつあり、それぞれにいくつかの種類があります。
「繊維系」は、グラスウールなどの細かな繊維の中に空気を閉じ込めるタイプの断熱材で、大きく分けて自然系の素材と鉱物系の素材があります。
自然系の材料には段ボールや新聞紙などの木質繊維をリサイクルして作ったセルローズファイバーや羊毛や羊毛の服をリサイクルして作った羊毛断熱材などがあり、無害なものなので人体への影響が少なく安心して使えることや、調湿効果を期待されていることなどがメリットです。
しかし、自然素材を使ったものは単価が高く、コスト面で問題があります。
鉱物系の断熱材には、ガラスを繊維状にしたグラスウールや、玄武岩などを原料としたロックウールなどがあります。
空き瓶や廃材をリサイクルして作られるものが多く、単価が安くて燃えにくいのが特徴です。
シロアリなどの被害もない事からよく使われる材料です。
グラスウールには防音効果もあり、コンサートホールなどにも使用されています。
繊維状の断熱材は、家の内側から充填して隙間なく断熱材を入れることによる内断熱に使われます。
「発泡プラスチック系」は、発泡スチロールのような独立気泡の中に空気を閉じ込めるタイプの断熱材で、ビーズ状の発泡スチロールや硬質ウレタンフォームといったシート状のものがあります。
ビーズ状発泡スチロールはビーズ法ポリスチレンフォームといい、比較的安価で軽くよく使われる材料です。
一方硬質ウレタンフォームは若干割高ではありますが、耐久性に優れているため、家の外側に施工し家全体をすっぽり断熱材でおおうことによって、より断熱の効果を高める外断熱工法に利用されます。
断熱材は住宅の住み心地を左右する大切な材料です。
工法によっても使用できる断熱材は違います。
また安価な繊維系断熱材に比べ、発泡プラスチック系の断熱材は2倍から3倍の費用がかかります。
重要なのは、床・壁・天井などに隙間なく、正しい施工方法で工事を行うこと。
使用する断熱材の特徴や工事内容、選択理由などに関して、しっかりとした説明のできる知識と施工実績のある会社を選ぶことが大切でしょう。
建築コラム