和室とは、日本の伝統的な建築物の居室として機能する部屋となっています。
しかも部屋と部屋の仕切りとして使用する襖を開く事で、部屋全体を広く使用したり、逆に閉じる事で個室として使用が可能である等、多様性も兼ね備えた部屋として使い勝手も優れているのです。
そんな和室の一番の特徴は、畳を敷いた床だったりします。
畳というのは、芯部分を藁を圧縮した物で作り、表面の部分は藺草と呼ばれる植物を編み込む事によって生み出されている床材です。
しかも素材となっている藁と藺草には、湿度の高い時期には、余計な湿気を吸収し、逆に乾燥している時期には湿気を放出するという、湿度を調節する性質を持っています。
そのため畳敷きの部屋は、湿度を調節するという機能を持っており、季節に左右されずに過ごし易い室内環境を得る事が可能です。
この様に畳は、空気清浄器の様な機能を持っています。
そして空気には熱を伝え難いという性質があり、畳の原料である藺草も藁も、多くの空気を含む性質があるのです。
お陰で、断熱性にも保温性にも優れており、その効果のお陰で夏は涼しく、冬は暖かいといった具合に、その季節で過ごし易い室温環境を整える効果も持っています。
同時に、畳には防音効果もあり、床に敷く事で足音等を吸収してくれるのです。
なのでフローリングの床だと下に響いてしまう音も、畳の床ならば吸収して音を小さくしてくれます。
なので一軒家だけでなく、マンション等の集合住宅を和室にする事で、隣近所との騒音問題を防止する事も可能です。
そんな畳ですが、リラックス効果を得る事も出来ます。
というのも藺草の香りというのは、多くの日本人が好む香りであり、香りを嗅ぐ事で癒されてリラックス効果を得る事が可能です。
しかも畳の癒し効果は、嗅覚だけでなく、視覚としても得られ、黄緑色という見た目は、見る者に安心感を与える色合いとして、リラックス効果を生み出す事でも知られています。
その上、畳敷きの部屋に入る際には、靴は勿論、スリッパを脱いで裸足になるのが基本です。
そういった裸足で過ごす事での、リラックス効果も得る事が出来ます。
そして和室の魅力で大きいのが、その時々で簡単に使い分けを行える点です。
というのもお客が来る際は、部屋に座布団を配置する事で、お客を迎える客間として機能させる事が出来るし、布団を敷けば直ぐに寝室へと変貌させる事が出来る上に、炬燵を置けば家族で団欒する部屋にする事も可能です。
更に畳敷きの床はクッション性に優れており、フローリングの床よりも安心して、小さな子供を遊ばせる事が出来ます。
建築コラム