近年、リノベーションが流行っています。リノベーションが流行っている背景を大きく3つに分けて説明して行きます。
まず、1つ目は、自分の好みに自由に設計できる点にあります。
例えば、建売住宅を購入する場合には、すべて設計が出来上がっており、完成前に契約をしたとしても、そこから先に選べるのは壁紙の色や細かい備品についてだけです。
建売住宅の作り自体が無難に出来上がっていることを考えると、建売住宅にもメリットがないわけではありませんが、やはり自分でいじることが出来るリノベーションを選択することで理想通りの住宅に仕上げることが出来ます。
2つ目は、リノベーションをする場合は中古でもよいため物件の選択肢が増えることです。
現在の日本ではストックといういわゆる中古物件が増えて来ています。
中古物件が増えた理由は、住宅購入適齢期と呼ばれる世代の20代後半から40代前半までの人口が相対的に減少しているからと言う理由が考えられます。
実際に数値で見てみると、1970年代には住宅の年間建築数はおよそ120万棟~140万棟だったのに対して、2010年代は70万棟~80万棟まで減少しています。
しかも、40年ぐらい前の家でもある程度メンテナンスをしていれば十分に住むことが出来ることが多く、リノベーションをすることで問題なく住み続けることが出来るのです。
3つ目は、新築を建てるより費用が抑えられることです。
新築住宅と中古住宅を比較すると、欧米の家などと異なり中古住宅ほど安くなる傾向があります。
その理由は、使い続けても味わい深さが出ないと言う理由が一つあります
もう一つは、新築住宅の場合には住宅の販売価格の中に宣伝費用が含まれているからです。
新築住宅を建築した業者は、出来るだけ多くの人に宣伝をして買ってもらうことが必要になります。
そこで、チラシや広告を出したり、営業マンを付けて住宅の説明をしたりと人件費を含めた経費が多くかかっています。その経費は新築住宅の本体価格に含めることで費用を回収する形になっているのです。ちなみに宣伝費用は住宅の本体価格のおよそ3パーセントから5パーセントが上乗せされていることが多いです。
これに対して、中古住宅は宣伝費用があるとしてもほんのわずかですので、その分安く購入をすることが出来ます。
このように、自分好みに設計できること、物件の選択肢が多いこと、そして中古物件は安く手に入ることの3つを考えるとリノベーションのメリットは大きいと言えます。
建築コラム