マイホームは多くの人にとって人生最大の買い物ですが、購入にあたって従来は新築と中古の中から、主に予算の大小で、予算を抑えたい場合に中古が選択肢に上がっていました。
しかし、住宅は駅近などの利便性が高い場所から広がっていくため、立地条件にこだわると、新築よりも中古物件に魅力があることも少なくありません。
そこで、立地のいい中古住宅を購入して、新築に比べると浮いたお金で、間取りを含めた外観を一新したり、住宅設備を最新使用に変更するなどのリノベーションが、新築と中古に次ぐ第三の選択肢として注目されています。
とくに、マンションは一戸建てよりも駅に近いなどの好立地が多いため、場所に注目して購入してリノベーションをするメリットが大きいのが特徴です。
ただし、住宅選びで、一戸建てとマンションの違いは、建物の外観だけではありません。
マンションは、室内は専有部分といって、オーナーだけのものですが、エントランスや廊下などの共有部分、建物の柱や壁などの構造部分は、住人全員で共有しており、その使用方法は管理規約で定められています。
マンションでは、共有部分の使用方法や生活のルールを守りながら一つ屋根の下で共同生活を送る一方、共有部分の管理や設備の維持費を住人全員で分担するため、一人では費用負担が重くなる常駐警備や、時にはコンシェルジュなどの充実した管理を割安に利用できる長所と短所があります。
また、マンションでは、居室と道路の間が直接接していないため、セキュリティを重視する人にもおすすめの生活スタイルです。
一方、マンションの場合のリノベーションは、共有部分がないので注意が必要です。
廊下やエントランスなどはもちろん、室内の壁についても、建物の構造、強度に直結する壁は、管理組合の許可なく変更が禁じられています。リフォームやリノベーションは、管理規約を確認する必要があるため、施工業者にも計画段階で規約を渡して確認してもらうと安心です。
また、リノベーション工事の施工期間中は、廊下などの共有部分に施工業者が出入りするので、トラブル防止のため、近隣住民にも事前に報告をしておくと有効です。
すでに住んでいるマンションの場合は、管理組合と近隣住民に事前に報告をすれば足りますが、新たに購入してリノベーションをしてから住む場合は、買ってから工事ができないことに気がついて後悔することがないように、契約前に管理規約を入手して確認しておくことが大切です。
建築コラム